▼昭和13年(1938年)当時の高等試験司法科試験の筆記試験科目とは?

query_builder 2024/05/10

こんにちは、日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかどとしや)です。  

NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』では高等試験司法科試験の様子が描かれていました。

今週の放送では、寅子たちが2度目の試験に挑み、無事合格を果たしました。

作中にも試験科目が黒板に書いてありましたが、寅子たちが合格した昭和13年(1938年)当時の司法科試験の科目はどのようなものだったのでしょうか。

国立公文書館デジタルアーカイブスで調べてみましたので、ご紹介します。

なお、原文は旧漢字やカタカナが用いられていますが、読みやすさを重視し、適宜現行の漢字やひらがなを用いていますので、ご了解ください。  

【高等試験令】

第15条 司法科試験の筆記試験は左の必須科目及び選択科目につきこれを行う。

必須科目

1 憲法

2 民法

3 商法

4 刑法

5 民事訴訟法又は刑事訴訟法(受験者をしてあらかじめ一種を選択せしむ)

選択科目

1 哲学概論

2 倫理学

3 論理学

4 心理学

5 社会学

6 国史(※昭和16年勅令第1で「必須科目」に昇格しています。戦争の国威発揚が司法科試験にも影を落としています。)

7 国文及び漢文

8 行政法

9 破産法

10 国際公法

11 民事訴訟法又は刑事訴訟法(必須科目において受験者の選択せざりしもの)

(※かつての司法試験においても法律選択科目として両訴選択をする強者がいました。平成12年の試験から法律選択科目が廃止され、両訴必須となりました。)

12 国際私法

(※大正7年勅令第7号では必須科目とされていました。ちなみに、当職もかつての司法試験を受験していた際、国際私法を選択していました。たまに実務でその知識が役に立ちます。)

13 経済学

14 社会政策

15 刑事政策

選択科目は受験者をしてあらかじめ二科目を選択せしむ。  

ちなみに、前年の筆記試験に合格している久保田聡子先輩は、寅子たちが受験している筆記試験の免除が認められましたね。

無事に合格できて良かったです。

【高等試験令】 第17条 一の科の筆記試験に合格したる者については受験者の願により翌年に限りその科の筆記試験を免ず。


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