▼【弁護士解説】故人のスマホが開かない?デジタル遺産の相続リスクと調査法

query_builder 2026/09/04
▼【弁護士解説】故人のスマホが開かない?デジタル遺産の相続リスクと調査法

ご家族が亡くなられた際、「通帳が見当たらない」「スマホにロックがかかっていて中身が見られない」といったご相談が近年急増しています。

紙の通帳や株券が存在しない「デジタル遺産(ネット銀行、ネット証券、暗号資産、サブスクリプション契約など)」は、遺族が存在すら気づかないケースが多く、思わぬトラブルの原因となります。

今回は、デジタル遺産を放置するリスクと、スマホが開かない場合に遺族が取るべき具体的な調査・対処法を弁護士が解説します。

1. デジタル遺産とは?放置することで生じる3大リスク

デジタル遺産(デジタル相続財産)の調査を後回しにしたり、見落としたりすると、以下のような法的・金銭的リスクが発生します。

① サブスク等の自動引き落としが継続してしまう

故人が契約していた動画配信サービスや有料アプリ、ジムなどの月額利用料は、死亡後も自動で引き落とされ続けます。クレジットカードや口座の利用停止手続きを行わない限り、無駄な費用が発生し続けます。

② 遺産分割協議がやり直し(無効)になる

後からネット銀行や暗号資産(仮想通貨)の存在が判明した場合、一度まとまった遺産分割協議が無効となり、相続人全員で再度協議を行わなければならなくなります。

③ 相続税の申告漏れによる過少申告加算税のリスク

税務署は独自のシステム等を通じて個人の資金の流れを把握しています。遺族が「存在を知らなかった」場合でも、暗号資産やネット口座の申告漏れがあると、過少申告加算税や延滞税などのペナルティが課されるおそれがあります。

2. 故人のスマホのロック解除は可能?無理に開ける危険性

「スマホさえ開けば口座情報が分かるはず」と、勘でパスワードや暗証番号を何度も入力するのは大変危険です。

適当なパスワード入力でデータが初期化されるリスク

一定回数入力を間違えるとスマホがロックアウト(初期化)され、内部の手がかりが完全に消去されるリスクがあります。

大手IT企業(Apple・Google等)の規約とプライバシーの壁

AppleやGoogleなどの大手IT企業は、利用者のプライバシー保護を厳格に運用しています。正当な相続人であっても、死亡診断書や戸籍謄本を提出しただけで簡単にロックを解除してくれるわけではありません。

3. スマホが開かない場合に遺族が取るべきデジタル遺産の調査方法

スマホのロックが解除できない場合でも、以下のステップでデジタル遺産の手がかりを掴むことができます。

① 郵便物・契約書類の確認

ネット銀行やネット証券であっても、口座開設時の案内、キャッシュカード、年間取引報告書などの書類が郵送されていることがあります。

② 銀行口座の取引明細・クレジットカード利用明細の開示請求

被相続人(故人)の口座やカードの利用明細を金融機関から取り寄せます。「PayPay」「コインチェック」「〇〇証券」などの引き落とし・振り込み履歴がないか確認します。

③ パソコンのブラウザ・電子メールの確認

パソコンの電源が入る場合、ブラウザ(ChromeやSafari)の自動入力機能やログイン履歴、届いている電子メールから利用サービスを特定できるケースがあります。

4. トラブルを未然に防ぐ「デジタル終活」の重要性

デジタル遺産に関するトラブルを防ぐ最善策は、生前の準備(デジタル終活)です。

  • 財産目録(エンディングノート)の作成 利用しているネット銀行・証券会社・暗号資産取引所の名称を一覧にしておきます。

  • パスワード管理と開示方法の設定 パスワードそのものを書き残すのが不安な場合は、Appleの「追悼アカウント」機能など、万が一の際に指定人に情報を引き継ぐ設定を活用しましょう。

5. まとめ:デジタル遺産の調査や遺産分割は弁護士へご相談ください

デジタル遺産は目に見えないため、調査にも専門的な視点や手続きが必要です。「故人の口座がどこにあるか分からない」「遺産分割協議をどう進めればよいか不安」という方は、ぜひ一度、相続問題に詳しい弁護士にご相談ください。

当事務所では、遺産調査から遺産分割協議書の作成まで、相続手続きを総合的にサポートしております。


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弁護士 濵門俊也

住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f

電話番号:03-3808-0771

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