「○○左衛門」のような、あえて古さを狙った名前は、「キラキラネーム」に対して、「シワシワネーム」と呼ばれています。
このシワシワネームをめぐって、夫婦で揉めているという相談があるネット掲示板に寄せられていました。
投稿者である夫は、いわゆる入り婿。
妻の一族はみな古風な名前をつける風習らしく、妻は「キラキラネームだのなんだの気にしすぎ」と、シワシワネーム命名を譲らないといいます。
相談者は「婿に人権はないのか。子どもの名前くらい父親につけさせろ」と反発しています。
相談者は、子どもに「シワシワネーム」が名づけられるのを止めることはできるのでしょうか。
『弁護士 濵門俊也』が解説します。
●シワシワネームは阻止できる
実は、子に名をつける権利、つまり『命名権』が誰にあるのかということについては、民法はもちろんのこと、戸籍法にも規定がありません。
しかし、戸籍法52条が出生届出義務者を父母と定めていることから、父母が命名して出生届出を行うことを当然の前提としていると考えられます。
人の名に関しては、戸籍法50条1項が、『子の名には、常用平易な文字を用いなければならない』と規定しています。
また、その文字については、戸籍法施行規則60条が、常用漢字、人名用漢字、変体仮名を除く平仮名又は片仮名の使用に限定し、一定の制限を付けているのみです。
このように、名づけの漢字以外には、直接の法的規制が存在しないのです。
つまり、父母は命名権を、原則として自由に行使できます。
ですから、子への命名は、キラキラだろうがシワシワだろうが、まさに親の常識的判断に委ねるしかありません。
相談者もお子さんの『父』ですから、シワシワネームは阻止できます。
もし、もう役所へ出生届が出された後で、なおかつ、どうしても納得できない場合は、改名を申し立てることとなります。
「正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない」(戸籍法107条の2)とされています。
相談者のケースでは、名づけられたシワシワネームが「いじめや差別を助長する、珍奇な名前」といえ「正当な事由」があると認められるかどうかの判断にかかってきます。
弁護士 濵門俊也
住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f
電話番号:03-3808-0771
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