▼【詳細版】日本における「共同親権」制度の徹底解説

query_builder 2025/12/03
▼【詳細版】日本における「共同親権」制度の徹底解説

【詳細版】日本における「共同親権」制度の徹底解説

2026年4月1日から施行される改正民法により、日本の家族法は大きく転換します。

ポイントは、単に「両親が親権を持つ」だけでなく、「子の利益」を最優先に、どのように役割分担をするかという点にあります。

1. 「単独親権」と「共同親権」の比較

これまでの制度と新しい制度の違いを整理しました。

特徴

これまでの制度(単独親権のみ)

離婚後は必ずどちらか一方を親権者に指定。

協議で決まらない場合は裁判所が「一方」を指定。

居所・進学:親権を持つ親が単独で決定。

日常の世話:同居親(監護者)が行う。

新しい制度(選択的共同親権)

父母の協議により、共同か単独かを選択可能。

協議で決まらない場合、裁判所が「共同」か「単独」かを判断。

共同親権の場合、原則として父母双方の合意が必要。

共同親権でも、日常の世話は同居親が単独で行える。

2. 共同親権で「合意が必要なこと」と「単独でできること」

共同親権になったからといって、すべてを話し合うわけではありません。

法律は、円滑な子育てと子の安全のために線引きをしています。

A. 父母の合意が必要な事項(重要事項)

子どもの人生に長期的な影響を与える決定は、双方が話し合う必要があります。

居所の変更: 引っ越しや海外移住など。

進路・教育: 進学先の決定、転校など。

長期的な医療: 手術の承諾、高額な矯正治療など。

宗教: 信仰の選択など。

B. 一方の親が単独で判断できる事項

日常の行為: 日々の食事、衣服の購入、習い事の送迎、軽い怪我の治療、修学旅行の参加承諾など。

急迫の事情: 子どもの命に関わる緊急手術、DV(ドメスティック・バイオレンス)や虐待からの避難など。

ポイント: 「別居親のハンコがないと手術が受けられない」といった事態を防ぐため、緊急時には単独での親権行使が認められています。

3. DV・虐待事案への「歯止め」規定

もっとも懸念されているDVや虐待については、明確な例外規定が設けられました。

以下のケースでは、家庭裁判所は必ず「単独親権」にしなければなりません。

父母の一方が、他の一方から身体的暴力(DV)を受けるおそれがある場合。

子に対する虐待のおそれがある場合。

父母間の関係が悪化しており、共同での親権行使が困難である場合。

家庭裁判所が「共同親権は不適切」と判断すれば、強制的に単独親権となります。

4. 養育費に関する改正(支払い確保の強化)

共同親権の導入とセットで、養育費の不払いを防ぐための仕組みも強化されます。

法定養育費制度の創設: 取決めをせずに離婚しても、法律で定められた最低限の養育費を請求できる権利(法定養育費)が認められます。

先取特権(さきどりとっけん)の付与: 養育費の滞納があった場合、裁判の手続きを一部省略して、相手の財産(給与など)を差し押さえやすくする強力な権利が与えられます。

5. 施行済みの離婚への適用(遡及適用)

この法律は、すでに離婚している元夫婦にも影響します。

変更の申立て: 施行日(2026年4月1日)以降、すでに単独親権となっている場合でも、父母の合意(または家庭裁判所への申し立て)があれば、親権者を「共同」に変更することが可能になります。

自動変更ではない: 法律が施行されたからといって、勝手に共同親権に切り替わることはありません。

必ず手続が必要です。

まとめ:この制度が目指すもの この改正は、「離婚=親子の縁切り」という認識を変え、両親が協力して子どもを支える社会を目指すものです。

一方で、DVなどのリスクがあるケースでは厳格に単独親権を維持するという、「子の安全」と「両親の責務」のバランスを取った設計になっています。

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弁護士 濵門俊也

住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f

電話番号:03-3808-0771

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