▼2026年4月からの「共同親権」:新しい選択肢と注意点

query_builder 2026/05/12
離婚 人形町 コラム
▼2026年4月からの「共同親権」:新しい選択肢と注意点

2026年4月、日本の家族法は大きな転換点を迎えました。

離婚後の「共同親権」が導入され、これまでの「単独親権」のみという選択肢から、父母の合意や状況によって柔軟な形を選べる時代が始まっています。

今回の改正は単なる制度の変更ではなく、「離婚後の子育て」のあり方そのものの再設計を求めています。

実務的な視点から、新しい選択肢と見落としがちな注意点を整理します。


1. 共同親権か単独親権か:選ぶための新基準

2026年4月1日以降、離婚時に「共同親権」か「単独親権」かを協議で選ぶことができるようになりました。

また、既に離婚している方も、家庭裁判所への申し立てにより、子どもの福祉・利益にかなうと認められれば共同親権へ変更することが可能です。

共同親権が向いているケース: 離婚後も子どもの教育方針や居住地、大きな手術などの重要事項について、互いに尊重し合いながら冷静に話し合える場合。

単独親権となるケース: 父母間にDVや虐待のおそれがある場合、裁判所は「必ず」単独親権を命じます。

また、対立が深刻で共同での決定が困難な場合も、子どもの福祉・利益を優先して単独親権が選択されます。


2. 共同親権でも「すべて」を相談する必要はない?

「共同親権になると、些細なことまで元配偶者の許可が必要になるのでは?」という不安の声をよく伺います。

改正法では、円滑な生活のために「単独で決定できる範囲」が明確化されています。

重要事項(共同決定): 進学、引っ越し、長期の海外旅行、重大な医療行為など。

日常の事務(単独決定可能): 習い事の選択、一般的な通院、日々の食事や生活習慣など、監護している親がその場で判断すべき事項。

急迫の事情(単独決定可能): DVからの避難や、緊急を要する手術など、協議を待つ余裕がない場合。


3. 「法定養育費」と履行確保の強化

今回の改正のもう一つの目玉は、子どもの貧困を防ぐための強力なバックアップ体制です。

法定養育費の新設: 離婚時に具体的な金額を決めていなくても、一定の要件を満たせば「子ども1人あたり月2万円(標準額)」を請求できるようになりました。

これはあくまで暫定的なものですが、不払いを防ぐ第一歩となります。

先取特権の付与: 養育費が支払われない場合、他の債権者よりも優先的に相手の給与などを差し押さえられる仕組みが整いました。


4. 運用の鍵を握る「共同養育計画」

共同親権を選択する場合、将来のトラブルを未然に防ぐために「共同養育計画(ペアレンティング・プラン)」の作成が極めて重要です。

連絡手段のルール化: 連絡は専用アプリ、またはメールに限る。

意思決定がデッドロックした際の対応: 意見が分かれた場合に誰(専門家や家庭裁判所)の判断を仰ぐか。

親子交流(面会交流)の具体化: 日時、場所だけでなく、子どもの意思をどう反映させるか。


弁護士からのアドバイス

2026年からの新制度は、親の権利を争うためのものではなく、「子どもが両方の親から愛され、健やかに育つ環境」を法的にサポートするためのものです。

制度が始まったばかりの現在は、裁判所の運用も事例を積み上げている段階です。

ご自身の状況が「共同親権に適しているのか」、あるいは「子どもの安全のために単独親権を維持すべきなのか」、慎重な判断が求められます。

迷いや不安がある場合は、改正法の背景と実務に精通した専門家へご相談ください。

新しい家族の形を共にデザインしていきましょう。


----------------------------------------------------------------------

弁護士 濵門俊也

住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f

電話番号:03-3808-0771

----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG