▼地代・家賃の増額請求が届いたら?弁護士が教える「納得できる交渉」の進め方

query_builder 2026/05/01
人形町 コラム
▼地代・家賃の増額請求が届いたら?弁護士が教える「納得できる交渉」の進め方

近年の物価高や地価の変動を受け、家主(賃貸人)や地主から「来月から賃料を上げたい」という通知が届くケースが急増しています。

2026年現在、コストプッシュ型のインフレや再開発の影響もあり、この問題は誰にとっても他人事ではありません。

突然の通知に驚き、慌ててハンコを押してしまう前に、まずは弁護士の視点から「冷静に、納得感を持って」交渉を進めるためのロードマップを確認しましょう。


地代・家賃の増額請求が届いたら?弁護士が教える『納得できる交渉』の進め方


1. 知っておきたい「増額請求」の正体

まず大前提として、家主側が「一方的に」賃料を決めることはできません。

借地借家法(第11条・第32条)では、賃料の増額が認められるには、主に以下の3つの根拠が必要とされています。

租税公課の増額: 固定資産税や都市計画税が大幅に上がった。

経済事情の変動: 土地・建物の価格が上昇し、近隣の物価も上がっている。

近隣相場との比較: 周辺の似たような物件に比べて、今の賃料が「不当に安い」状態にある。

つまり、「なんとなく物価が上がったから」という理由だけでは、法的に認められる増額の根拠としては不十分な場合が多いのです。


2. 「納得できる交渉」のための4つのステップ

通知が届いた際、感情的に拒否したり、逆に言いなりになったりするのは得策ではありません。

以下の順序で対応しましょう。

ステップ①:根拠(エビデンス)の開示を求める 家主側に対し、「なぜその金額になるのか」の具体的な根拠を求めましょう。

「固定資産税の納税通知書の写し」や「不動産業者による査定書」など、客観的なデータが出てくるかどうかが、交渉のスタート地点です。

ステップ②:周辺相場を自分でリサーチする

大手不動産ポータルサイト等で、近隣の似た条件(築年数、面積、駅距離)の物件の成約事例を調べます。

2026年現在は、オンラインの価格推移ツールも充実しているため、これらを活用して「今の賃料が本当に安いのか」を確認しましょう。

ステップ③:カウンター(逆提案)を行う

提示された増額幅が大きすぎる場合、「固定資産税の上昇分を考慮して、月額2,000円のアップなら応じられる」といった、具体的な根拠に基づいた対案を出します。

ステップ④:妥協点を探る(付帯条件の交渉)

金額だけで折り合いがつかない場合、「賃料を上げる代わりに、古くなった設備の交換をしてほしい」「更新料を免除してほしい」といった、実利面での交渉を行うのも一つの手です。


3. 交渉中、賃料はどう支払うべきか?

ここが最も重要な法的ポイントです。

交渉が長引き、合意に至らない間、「元の賃料(今の金額)」を支払い続けていれば、家賃滞納にはなりません。

ただし、注意点があります。

相当と認める額を支払う: 家主が受け取りを拒否した場合は、法務局へ「供託」する必要があります。

差額の支払い: 最終的に増額が確定した場合、過去に遡って不足分を支払う必要があります。

その際、年10%の利息を付けて支払わなければならないため、あまりに非現実的な低額を主張し続けるのはリスクを伴います。


4. 解決しない場合は「調停」の場へ

話合いが平行線の場合、裁判所での「民事調停」という手続きに移ります。

ここでは調停委員(弁護士や不動産鑑定士などの専門家)が間に入り、双方の妥協点を探ります。

訴訟(裁判)に比べて費用も抑えられ、柔軟な解決が期待できるのが特徴です。


結び:弁護士は「防波堤」であり「架け橋」です

賃料増額請求は、家主との信頼関係に関わるデリケートな問題です。

弁護士にご相談いただくメリットは、単に「安く抑える」ことだけではありません。

法的な裏付けを持って交渉することで、家主側との無用な感情的対立を避け、公平な着地点を見つけられることにあります。

「通知が届いて夜も眠れない」「相手側の要求が強硬で困っている」という方は、まずは現状のヒアリングから始めましょう。

あなたの正当な権利を、プロの視点から守ります。


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弁護士 濵門俊也

住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f

電話番号:03-3808-0771

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