▼所有権登記名義人の住所・氏名の変更登記の義務化

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人形町 コラム
▼所有権登記名義人の住所・氏名の変更登記の義務化

令和8年(2026年)4月1日より、不動産登記制度において非常に重要な変更が施行されました。それが、「所有権登記名義人の住所・氏名の変更登記の義務化」です。

これまでは、引っ越しで住所が変わったり、結婚などで氏名が変わったりしても、その登記をいつまでに行わなければならないという期限はありませんでした。

しかし、今後は「放置」が許されない時代となります。

今回は、この新制度の内容と、知っておくべき実務上の注意点を専門家の視点から詳しく解説します。


1. なぜ「住所・氏名の変更」が義務化されたのか

背景にあるのは、深刻な「所有者不明土地問題」です。 不動産の登記簿上の住所や氏名が古いまま放置されると、いざ公共事業や災害復興、あるいは民間の取引を行おうとした際に、現在の所有者が誰なのか、どこにいるのかを特定することが困難になります。

この問題を根本から解決し、登記簿の情報を常に最新の状態に保つため、令和6年の相続登記義務化に続き、今回の変更登記も義務化されることとなりました。


2. 申請の期限と「5万円以下の過料」というペナルティ

今回の改正により、不動産の所有者は以下の期限内に変更登記を申請しなければなりません。

原則: 住所や氏名に変更があった日から3年以内罰則: 正当な理由がないにもかかわらず申請を怠った場合、5万円以下の過料に処せられる可能性があります。

「たかが住所変更」と軽視されがちですが、法的な義務となり、罰則も設けられたという点に注意が必要です。


3. 「昔の変更」も対象になる? 遡及適用の注意点

もっとも注意すべきなのは、令和8年4月より前に住所や氏名が変わっていた場合も、義務化の対象になるという点です。

「もう何年も前に引っ越したから関係ない」というわけにはいきません。

施行日(令和8年4月1日)以前に変更があった場合でも、施行日から3年以内(令和11年3月末まで)に変更登記を済ませる必要があります。

ご自身の所有されている不動産の登記簿を確認し、もし現在の住民票の記載と異なる場合は、早めに対応を検討すべきでしょう。


4. 利便性を高める「職権登記」と「マイナンバー」の活用

義務化による国民の負担を軽減するため、法務局側が自ら情報を更新する仕組みも導入されています。

職権による更新: 法務局が住基ネットなどから情報を取得し、住所や氏名の変更を把握した場合、本人の同意を得た上で、法務官が職権で登記を更新することができます。

検索用番号(マイナンバー等)の活用: 登記の際にマイナンバー等を紐付けておくことで、将来的な住所変更の把握がよりスムースになる仕組みも整えられています。

ただし、これらはあくまで補助的なものであり、「原則として本人に申請義務がある」という点は変わりません。


5. 実務上のアドバイス:早めのチェックを

住所変更登記自体は、登録免許税(不動産1個につき1,000円)が必要ですが、司法書士や弁護士に依頼せずともご自身で行うことも可能です。

しかし、数回の引っ越しを経ていたり、法人の代表者の住所変更が絡んでいたりする場合、戸籍の附票の取得などが複雑になるケースもあります。

特に、将来的に不動産の売却やリフォームローンの設定を検討されている方は、その前提として必ず最新の住所・氏名への変更が必要となります。

直前になって慌てないよう、この義務化を機に一度「登記簿の棚卸し」をされることをお勧めします。


結びに:登記は「自分の権利を守る」ためのもの

義務化という言葉を聞くと「面倒な手続きが増えた」と感じるかもしれません。

しかし、登記簿を正しく管理することは、あなたの大切な資産の権利関係を明確にし、次世代へスムースに引き継ぐための第一歩でもあります。

「自分の場合はどうなるのか?」「必要書類は何を揃えればいいのか?」と不安に思われたら、いつでもお気軽にご相談ください。

制度の変更に戸惑うことなく、安心して不動産を管理できるようサポートいたします。


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弁護士 濵門俊也

住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f

電話番号:03-3808-0771

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