令和8年(2026年)4月から施行される新しい制度

query_builder 2026/04/02
人形町 コラム
令和8年(2026年)4月から施行される新しい制度

令和8年(2026年)4月、日本の法的枠組みや社会制度は大きな転換点を迎えています。

特に民法や不動産登記法といった、市民生活や実務に直結する分野での改正が相次いで施行されました。

プロフェッショナルな視点から、今回の改正がもたらす実務上の変更点と、押さえておくべき重要トピックを整理して解説します。


1. 離婚後の「共同親権」制度の導入(改正民法)

今回の年度初めにおいて、もっとも大きな社会の関心事となっているのが「共同親権」の導入です。

昭和22年の法改正以来、約80年ぶりとなる親権制度の抜本的な見直しが行われました。

選択制の導入

離婚後、父母が協議して「共同親権」か「単独親権」かを選択できるようになりました。

合意に至らない場合は家庭裁判所が「子の利益」を最優先に判断し、共同か単独かを決定します。

「日常の事務」と「急迫の事情」の定義

共同親権下であっても、習い事の選択といった「日常の事務」や、緊急の手術、DVからの避難などの「急迫の事情」がある場合は、同居親が単独で親権を行使できると定められました。

施行前離婚への適用

本制度の施行前に離婚し、現在は単独親権となっているケースについても、家庭裁判所へ申し立てることで共同親権への変更が可能となります。


2. 不動産登記における「住所・氏名変更」の義務化

令和6年に開始された相続登記の義務化に続き、令和8年4月1日より、所有権登記名義人の住所や氏名に変更があった際の登記も義務化されました。

申請期限と罰則 住所や氏名に変更があった日から3年以内に変更登記を申請しなければなりません。

正当な理由なく怠った場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。

過去の変更分も対象 施行日以前に住所・氏名が変わっていた場合も対象となります。

この場合、施行日から3年以内の申請が必要です。

職権登記制度の活用

法務局が他の公的機関(住基ネットなど)から情報を取得し、本人の同意を得た上で職権で登記を更新する仕組みもあわせて運用が開始されています。


3. 民事訴訟手続のIT化(フルデジタル化への移行)

民事裁判のスピードアップと利便性向上を目的とした民事訴訟法の改正が、いよいよ全面施行に向けた本格運用フェーズに入っています。

e提出(オンライン提出)の義務化

弁護士などの訴訟代理人が関与する事件について、訴状や準備書面のオンライン提出が全面的に義務付けられました。

これにより、紙の書類の郵送や持参といった手間が大幅に削減されます。

ウェブ会議による口頭弁論 これまで準備手続などに限られていたウェブ会議の利用が、口頭弁論期日などでも広く認められるようになりました。

当事者は裁判所に出向くことなく、事務所や自宅から手続に参加可能です。

判決書の電子化

判決書も電子データとして作成・管理され、当事者はオンライン上で内容を確認できるようになります。


4. 雇用・労働分野における「育児・介護休業法」の拡充

深刻化する少子高齢化への対応として、仕事と育児・介護の両立を支援する制度も強化されています。

柔軟な働き方の提示義務

3歳から小学校就学前の子を育てる労働者に対し、企業は「短時間勤務」「テレワーク」「時差出勤」など複数の選択肢を提示し、労働者がいずれかを選べるようにする措置が義務化されました。

介護離職防止のための個別の意向確認

家族の介護が必要になった労働者が離職を防げるよう、企業側には個別の面談や意向確認を行うことが求められるようになりました。

実務上の着眼点

これらの新制度は、単なる手続の変更にとどまらず、個人の権利義務のあり方や、企業のリスク管理に深く関わってきます。

特に「共同親権」や「登記義務化」は、過去に遡って影響が及ぶ可能性があるため、既存の事案についても再点検が必要です。

新しい制度を正しく理解し、個別のケースにおいて「最良の選択」を導き出すための指針として、これらの変化を捉えておくことが肝要です。


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弁護士 濵門俊也

住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f

電話番号:03-3808-0771

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