▼スマホの中の「見えない資産」が家族を困らせる? デジタル遺産整理の盲点と、今すぐできる法的準備

query_builder 2026/03/27
人形町 コラム
▼スマホの中の「見えない資産」が家族を困らせる? デジタル遺産整理の盲点と、今すぐできる法的準備

かつての遺産整理といえば、家の金庫や引き出しから預金通帳、実印、不動産の権利証などを探し出すことが第一歩でした。

しかし、現代においてもっとも価値があり、かつもっとも「見つけにくい」遺産は、亡くなった方の手元にあるスマートフォンの中に隠れています。

これが、今大きな社会問題となっている**「デジタル遺産」**です。

目に見えないがゆえに、放置すると家族に金銭的な不利益を与え、ときには深刻な争いの火種にもなりかねません。

今回は、弁護士の視点からデジタル遺産に潜む盲点と、今すぐ取り組むべき法的な備えについて解説します。


1. デジタル遺産に潜む「二つのリスク」

デジタル遺産には、大きく分けて「プラスの資産」と「マイナスの負担」の二面性があります。

「プラスの資産」の喪失: ネット銀行の預金、証券口座、暗号資産(仮想通貨)、スマートフォン決済のチャージ残高などがこれに当たります。

これらは紙の通知が届かないことが多く、家族がその存在すら知らなければ、遺産分割の対象から漏れ、永遠に凍結されてしまうリスクがあります。

「マイナスの負担」の継続: 動画配信サービスやスポーツジム、有料アプリなどのサブスクリプション(月額課金)です。

解約しない限り、登録されたクレジットカードや口座から引き落としが続き、数ヶ月後にようやく家族が異変に気づくというケースが後を絶ちません。


2. 「ロック」という高い壁とプライバシーのジレンマ

もっとも厄介なのが、スマートフォンのパスコードロックです。

セキュリティが強固な現代の端末は、本人以外が解除することは極めて困難です。

無理に解除しようとしてデータが消去されてしまえば、資産の手がかりもろとも消え去ってしまいます。

また、SNSのアカウントやメール履歴は「見つけたい資産」であると同時に、「見られたくない秘密」でもあります。

家族であってもプライバシーの壁があり、死後の尊厳をどう守りつつ事務手続を進めるかという、非常に繊細な判断が求められます。


3. 今すぐできる「法的な準備」

デジタル遺産による混乱を防ぐためには、元気なうちからの「情報の整理」と「意思表示」が不可欠です。

デジタル資産の「リスト化」: パスワードをそのまま書き残すのはセキュリティ上リスクがありますが、「どの会社のサービスを利用しているか」という一覧があるだけで、相続人の負担は劇的に減ります。

遺言書への「付言事項」や「条項」の追加: 単なるエンディングノートではなく、法的効力を持つ遺言書の中にデジタル資産の処理方針を明記しておくことがもっとも確実です。

「ネット銀行のID・パスワードは〇〇に託す」「SNSのアカウントは速やかに削除してほしい」といった具体的な指定を盛り込むことで、家族は迷いなく手続を進めることができます。


結びに:形のない遺産だからこそ、確かな形(書面)で残す デジタル遺産の問題は、もはや「若者だけの問題」ではありません。

スマホ一台で決済も投資も完結する時代、準備不足は残された家族に多大な時間的・経済的コストを強いることになります。

「自分のスマホの中には何があるのか」「もし明日、自分が操作できなくなったら家族はどうなるのか」。

少しでも不安を感じられたら、一度専門家と一緒に整理してみませんか。

あなたの「見えない資産」を、家族への「確かな贈り物」に変えるためのお手伝いをいたします。


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弁護士 濵門俊也

住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f

電話番号:03-3808-0771

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