「うちは財産なんて大してないから、揉めるはずがないよ」
「兄弟仲はいいから、話合いでなんとかなるだろう」
相談に来られる方の多くが、最初はそうおっしゃいます。
しかし、いざ相続が始まると、昨日までの「仲の良い家族」が、今日からは「法廷で争う敵」に変わってしまう。
そんな悲劇を、私は弁護士として何度も目の当たりにしてきました。
実は、遺言書の中にたった「一行」の言葉があるかないか。
それだけで、家族の運命は180度変わっていたかもしれないのです。
1. 仲の良かった三兄妹を襲った「相続」という名の亀裂
ある一家の事例をお話しします(※守秘義務のため、内容は一部改変しています)。
亡くなったのは、下町で小さな商売を営んでいたお父様。
残されたのは、実家の一軒家と、数百万円の預貯金。
そして、成人してそれぞれの家庭を持つ三人の兄妹でした。
お父様は生前、公正証書遺言を残していました。
内容は極めてシンプルです。
「自宅の土地建物は、同居して介護を担った長男に相続させる」
「預貯金は、次男と長女で半分ずつ分けること」
一見、お父様なりに配慮した、合理的な内容に見えますよね?
しかし、これが「争族」の引き金となりました。
2. 「なぜ、兄貴だけ?」という感情の爆発
遺言書が読み上げられた瞬間、次男と長女の顔色が変わりました。
「実家を売れば数千万円になるのに、兄貴だけずるい」
「お父さんは、結局、長男のことが一番可愛かったんだ」
彼らにとって、遺言書は単なる**「財産の分配指示書」**でしかありませんでした。
長男が仕事の傍ら、何年も献身的に介護を続けてきた苦労や、お父様が「家だけは守ってほしい」と願っていた背景。
それらが一切書かれていなかったため、不公平感だけが独り歩きしてしまったのです。
結果、兄妹は弁護士を立てて争い、実家は売却され、今では盆暮れ正月の集まりすらなくなってしまいました。
3. 家族を救う魔法の一行 ——「付言事項」の力
もし、あのお父様の遺言書の最後に、こんな**「一行(付言事項)」**が添えられていたらどうなっていたでしょうか。
【付言事項(例)】
「長男へ。仕事が忙しい中、最後まで私の介護をしてくれて本当にありがとう。お前のおかげで、住み慣れたこの家で最期を迎えられた。感謝の印としてこの家を託す。 次男、長女へ。家を売らずに残すため、二人の取り分が少なくなってしまったことを許してほしい。お前たちは私にとってかけがえのない宝物だ。これからは三人で助け合い、仲良く暮らしていくことが、私の一番の願いです。」
これが、法律上の効力はなくても、家族の心を繋ぎ止める**「付言事項(ふげんじこう)」**と呼ばれるものです。
この言葉があれば、次男や長女も「父さんは自分たちのことも愛してくれていたんだ」「兄貴の苦労を認めていたんだ」と納得し、争いには至らなかったはずです。
4. 弁護士が教える「争わない遺言」の鉄則
遺言書は、単に「誰に何をあげるか」を決めるだけの書類ではありません。
「なぜそうしたのか」というあなたの想いを、残された家族に届ける最後の手紙なのです。
不公平が出る時こそ、言葉を尽くす「感謝」と「これからの願い」を言語化する形式の不備で無効にならないよう、専門家(弁護士)に相談するこの3点を押さえるだけで、遺言書は「争いの種」から「家族の絆」へと変わります。
結びに:愛する家族に「地獄」ではなく「平和」を残すために
相続争いは、一度火がつくと修復が非常に困難です。
お金は取り戻せても、失った家族の絆は二度と戻りません。
「自分の場合はどう書けばいい?」「付言事項に何を盛り込むべき?」と少しでも不安になったら、家族がバラバラになる前に、一度お話しを聞かせてください。
あなたの想いを形にするお手伝いをいたします。
弁護士 濵門俊也
住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f
電話番号:03-3808-0771
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