▼「『争続』を防ぐ!自筆証書遺言を書く際の落とし穴」

query_builder 2026/01/05
▼「『争続』を防ぐ!自筆証書遺言を書く際の落とし穴」

せっかく家族のために良かれと思って書いた遺言書が、逆に争いの火種になってしまう——。
そんな悲しい「争続(そうぞく)」を防ぐために、最も手軽で、かつ最も失敗しやすい**「自筆証書遺言」**の注意点について解説します。
自分で紙とペンを用意すれば今すぐ書ける自筆証書遺言ですが、法的な要件は非常に厳格です。
一文字のミスが遺言全体を無効にしてしまうこともあります。
1. 形式の不備:たったこれだけで「無効」になる
自筆証書遺言には、法律(民法)で定められた厳しいルールがあります。
これに違反すると、内容はどんなに立派でも法的な効力はゼロになってしまいます。
全文を自筆で書く: パソコンで作成したり、他人に代筆してもらったりしたものは認められません。
ただし、2019年の法改正により、「財産目録(どの銀行にいくらあるかのリスト)」については、パソコン作成や通帳のコピーの添付が認められるようになりました。
しかし、遺言の本文(誰に何を継がせるか)は、依然として手書きが必須です。
日付を正確に記載する: 「2026年1月吉日」という書き方は無効です。
必ず「2026年1月5日」のように、特定の日付を明記してください。
署名と押印: 自分の氏名を書き、印鑑を押します。
認印でも有効ですが、なりすましや偽造を疑われないためには、実印での押印を強くおすすめします。
2. 内容の曖昧さ:「長男に多めに」はトラブルの元
家族への想いが強いほど、文章が情緒的になりがちですが、法律の世界では**「一意に(一つに)定まる表現」**が求められます。
財産の特定が不十分: 「自宅の土地を妻に」ではなく、「登記簿謄本に記載された所在・地番」を正確に書く必要があります。
指示が不明確: 「長男に多めに分ける」や「みんなで仲良く分けること」といった曖昧な指示は、相続人同士で「多めとは具体的に何%か?」「誰がどの財産を取るのか?」という話合いを強いることになり、結局は揉める原因になります。
付言事項(メッセージ)の活用: なぜこのような配分にしたのかという理由(付言事項)を添えることは、家族の感情を和らげる効果があります。
ただし、これはあくまで「お願い」であり、法的強制力はないことを理解しておく必要があります。
3. 「遺留分」の無視:法律が認める最低限の取り分
「自分を支えてくれた長女にすべての財産を譲りたい」という気持ちはわかりますが、他の兄弟姉妹や配偶者には法律で保障された最低限の取り分**「遺留分(いりゅうぶん)」**があります。
遺留分を侵害する遺言: 特定の一人に全財産を集中させると、遺言の死後に他の相続人から「自分の取り分を返せ(遺留分侵害額請求)」という裁判を起こされるリスクが非常に高まります。
対策: あらかじめ遺留分を考慮した配分にするか、遺留分相当額を現金で支払える準備をさせておくなどの工夫が必要です。
4. 保管の落とし穴:見つからない、または書き換えられる 自宅の机の引き出しや金庫にしまっておく場合、大きなリスクが2つあります。
発見されないリスク: せっかく書いたのに、死後に誰にも見つけられなければ、遺言は存在しないものとして遺産分割が進んでしまいます。
隠匿・改ざんのリスク: 自分に不利な内容を見つけた相続人が、こっそり破棄したり書き換えたりする可能性も否定できません。
【アドバイス】
自筆証書遺言保管制度を活用しましょう
2020年から始まった法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用すると、法務局が遺言書を預かってくれます。
これを利用すれば、形式のチェックが受けられるだけでなく、死後の紛失や改ざんの心配がなくなります。
さらに、家庭裁判所での「検認(けんにん)」の手続も不要になるため、相続人の負担も大幅に軽減されます。
幸せな相続のために、専門家のチェックを 自筆証書遺言は、手軽に書ける一方で「本当にこれで大丈夫か?」という不安がつきまとうものです。
せっかくの想いを確実に形にするためには、作成した文案を一度弁護士などの専門家に確認してもらうことをお勧めします。
法的な不備をなくし、将来の紛失や争いのリスクを最小限に抑えることが、残された家族への最後で最大のプレゼントになるはずです。
この記事を読んで「自分の書いた遺言書を一度見てほしい」と思われた方は、ぜひ一度当事務所のリーガルチェックをご検討ください。


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弁護士 濵門俊也

住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f

電話番号:03-3808-0771

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