▼原爆裁判(東京地判昭和38年(1963年)12月7日)の判決文のラストを…
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今週は、いわゆる原爆裁判と呼ばれる事件が取り扱われています。
判決は、東京地方裁判所で昭和38年(1963年)12月7日午前に下されました。
原告らの国に対する損害賠償請求はいずれも棄却されましたが、原爆投下を国際法違反と断じる画期的な判決でした。
今回は、その判決文のラストをご紹介したいと思います。適宜現代仮名遣いに修正しています。
【以下引用始め】
人類の歴史始まって以来の大規模、かつ強力な破壊力をもつ原子爆弾の投下によって損害を被った国民に対して、心から同情の念を抱かない者はないであろう。戦争を全く廃止するか少なくとも最少限に制限し、それによる惨禍を最少限にとどめることは、人類共通の希望であり、そのためにわれわれ人類は日夜努力を重ねているのである。
けれども、不幸にして戦争が発生した場合には、いずれの国もなるべく被害を少なくし、その国民を保護する必要があることはいうまでもない。このように考えてくれば、戦争災害に対しては当然に結果責任に基づく国家補償の問題が生ずるであろう。現に本件に関係するものとしては「原子爆弾被害者の医療等に関する法律」があるが、この程度のものでは、とうてい原子爆弾による被害者に対する救済、救援にならないことは、明らかである。国家は自らの権限と自らの責任において開始した戦争により、国民の多くの人々を死に導き、傷害を負わせ、不安な生活に追い込んだのである。しかもその被害の甚大なことは、とうてい一般災害の比ではない。被告がこれに鑑み、十分な救済策を執るべきことは、多言を要しないであろう。
しかしながら、それはもはや裁判所の職責ではなくて、立法府である国会及び行政府である内閣において果さなければならない職責である。しかも、そういう手続によってこそ、訴訟当事者だけでなく、原爆被害者全般に対する救済策を講ずることができるのであつて、そこに立法及び立法に基づく行政の存在理由がある。終戦後十数年を経て、高度の経済成長をとげたわが国において、国家財政上これが不可能であるとはとうてい考えられない。われわれは本訴訟をみるにつけ、政治の貧困を嘆かずにはおられないのである。
【以上引用終わり】
戦争ほど悲惨で残酷なものはありません。しかし、人類は戦争を「全く廃止する」ことも「最小限に制限」することもできていません。「待て、しかして希望せよ」
弁護士 濵門俊也
住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f
電話番号:03-3808-0771
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