交通事故の被害に遭い、怪我の痛みや将来への不安を抱えている中で届く、保険会社からの「示談提示書」。
そこに書かれた金額を見て、「これっぽっちなの?」と落胆される方は少なくありません。
実は、その提示額は保険会社独自の「任意保険基準」という、本来受け取るべき金額よりも低く抑えられたものであることがほとんどです。
今回は、私が実際に担当した事例をもとに、**保険会社の提示額を2倍以上に跳ね上げた「たった一枚の診断書」**の秘密についてお話しします。
1. 保険会社の「一律な基準」という壁
交通事故の示談金において、もっとも大きなウェイトを占めるのが「慰謝料」と「後遺障害逸失利益」です。
保険会社は、通院日数や怪我の程度を見て機械的に金額を算出します。
特に、むち打ち症などの「目に見えにくい怪我」の場合、「後遺障害(将来にわたって残る症状)」とは認められにくく、示談金は驚くほど低く抑えられてしまう傾向にあります。
しかし、ここに**「弁護士基準(裁判基準)」**というプロの視点を持ち込むことで、景色は一変します。
2. 金額を劇的に変えたのは「後遺障害診断書」の書き方
提示額を2倍にした決定打、それは適切な**「後遺障害診断書」**の作成でした。
多くの医師は「治療のプロ」ですが、「賠償のプロ」ではありません。
そのため、普通に診断書を依頼すると「頚椎捻挫」「症状固定」といった簡潔な記載だけで終わってしまうことがあります。
これでは、保険会社に「大した障害ではない」と判断される材料を与えているようなものです。
私が介入して修正・追加をお願いしたポイントは、以下の通りです。
自覚症状の具体化: 単に「首が痛い」ではなく、「雨の日に痛みが激しくなる」「右腕に痺れがあり、重いものが持てない」など、日常生活への支障を具体的に記載。
他覚的所見(医学的根拠)との整合性: MRI画像や神経学的検査の結果に基づき、なぜその痛みが生じているのかを医学的に裏付ける表現。
「緩解(治る見込み)」の否定: 「今後も改善の見込みが乏しい」という一言があるかないかで、後遺障害の認定率は大きく変わります。
3. 「弁護士基準」への切り替えという魔法
適切な診断書によって「後遺障害第14級」や「12級」が認定されると、次のステップは**「基準の引き上げ」**です。
ご自身で交渉している間は、保険会社は「自社の基準」でしか話をしません。
しかし、弁護士が介入し、「裁判になればこの金額(弁護士基準)が認められます」と突きつけることで、慰謝料などの算定基準そのものが跳ね上がります。
その結果、当初150万円だった提示額が、後遺障害の認定と基準の変更を経て、最終的に350万円で示談成立。
まさに、書類一枚と交渉の力で、金額が「2倍以上」になった瞬間でした。
4. 弁護士が医師と連携する重要性
私は、必要であれば医師に対して「賠償実務上、どのような記載が必要か」という照会状を送ることもあります。
法律の知識だけでなく、医学的な知見を組み合わせて初めて、適正な賠償を勝ち取ることができるからです。
保険会社の提示額にハンコを押す前に、その金額が本当に「あなたの痛み」に見合っているのか、疑ってみてください。
結びに:その提示額、本当に妥当ですか?
交通事故の被害は、単なるお金の問題ではありません。
失われた健康や、将来への不安に対する正当な対価であるべきです。
もし、保険会社の提示に少しでも違和感を覚えたら、示談書にサインをする前に一度ご相談ください。
その「一枚の診断書」の見直しから、あなたの未来を守る戦いが始まります。
弁護士 濵門俊也
住所:東京都中央区日本橋人形町1丁目6−2 安井ビル 5f
電話番号:03-3808-0771
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