▼遺留分侵害額請求について解説

query_builder 2025/11/14
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🧐 遺留分侵害額請求とは

遺留分侵害額請求とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属)が、被相続人(亡くなった人)の遺言や生前贈与などによって、法律で保障されている最低限の遺産の取り分(遺留分)を侵害された場合に、その侵害された額に相当する金銭の支払いを請求する権利のことです。

この権利は、相続人の生活保障や財産権を保護するために民法で認められています。


🔑 制度のポイント

請求できる人(遺留分権利者): 兄弟姉妹以外の法定相続人。具体的には、配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属(父母や祖父母)です。

請求の相手方: 遺留分を侵害する遺贈(遺言による財産の譲渡)や贈与を受けた人(受遺者または受贈者)。

請求の内容: 侵害された遺留分に相当する「金銭」の支払い。

【重要】

以前の制度(遺留分減殺請求)と異なり、原則として不動産などの現物そのものを取り戻すことはできません。

金銭での解決を図ります。

改正の背景: 従来の遺留分減殺請求では、現物を返還してもらうことが原則だったため、特に不動産が共有状態になったり、事業承継に支障が出たりする問題がありました。

これを解消するため、2019年7月1日の民法改正により、金銭請求を可能とする「遺留分侵害額請求」に変わりました。


📏 遺留分侵害額の計算方法

遺留分侵害額は、以下の計算式で算出されます。

{遺留分侵害額} ={個別的遺留分の金額} -{遺留分権利者が受けた遺贈・特別受益の価額} -{遺留分権利者が承継すべき未分割遺産の総額} +{遺留分権利者が承継した相続債務の額}

よりシンプルに言うと、「本来もらえるべき遺留分」から「既に受け取った(または取得する)財産の価額」を差し引き、「負担すべき債務の額」を加えたものが請求額となります。

個別的遺留分の金額: まず、遺留分を算定するための財産の価額(基礎財産)を計算します(被相続人が残した財産+一定の生前贈与-債務)。

次に、その基礎財産に総体的遺留分割合(例えば、配偶者と子の場合で1/2)をかけます。

最後に、その金額に個別的遺留分割合(法定相続分などに応じて定められる割合)をかけて、各相続人の個別的遺留分額を求めます。


⏳ 請求権の期間制限(時効・除斥期間)

遺留分侵害額請求権には、行使できる期間に制限があります。

時効(消滅時効): 遺留分権利者が「相続の開始」と「遺留分を侵害する贈与・遺贈があったこと」の両方を知ったときから1年間行使しないと、時効により消滅します。

時効を中断(完成を阻止)するためには、相手方に対して内容証明郵便などで請求の意思を明確に伝えることが一般的です。

除斥期間: 相続開始のときから10年間が経過すると、権利は消滅します。

この期間は、遺留分侵害の事実を知らなくても適用されます。


🤝 請求の手続

侵害額の算定: まず、遺留分侵害額を正確に計算します。

相手方への意思表示: 侵害額を算定した後、相手方に対し、遺留分侵害額請求権を行使する旨を伝えます。

時効の問題もあるため、内容証明郵便を利用するのが一般的で確実です。

協議: 相手方と話し合い(協議)を行い、金銭の支払いについて合意を目指します。

合意ができれば、その内容を合意書などの書面で残します。

調停・訴訟: 協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺留分侵害額の調停を申し立てます。

調停でも解決しない場合は、地方裁判所などで訴訟を提起することになります。

ご自身の遺留分が侵害されているかどうか、また具体的な請求額の計算や手続については、専門的な判断が必要になるため、弁護士に相談することをお勧めします。

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