▼最高裁令和7年10月30日判決により、車両事故による死亡に伴う人身傷害保険金の請求権は「相続財産に含まれる」と判断されました。

query_builder 2025/11/04
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最高裁令和7年10月30日判決により、車両事故による死亡に伴う人身傷害保険金の請求権は「相続財産に含まれる」と判断されました。


🔍 最高裁の判断概要
2025年10月30日、最高裁第1小法廷は、自損事故で死亡した被保険者の人身傷害保険金請求権について、以下のように判断しました。
• 人身傷害保険金は、被保険者に生じた損害を補填するためのものであり、保険事故発生時点で被保険者に請求権が発生する。
• よって、その請求権は被保険者の死亡時点で相続財産に属する。
• 保険約款に「被保険者が死亡した場合は法定相続人が請求者」と定められていても、それは請求手続の便宜を図るものであり、請求権の帰属自体は被保険者にある。


⚖️ 実務への影響
この判決は、以下のような実務上の重要な指針を示しています:
• 相続放棄があった場合でも、次順位の相続人が請求権を承継できる。
• 保険会社が「受取人指定に類するもの」として請求権の帰属を限定しようとする主張は、否定された。
• 損害保険である人身傷害保険は、生命保険とは異なり、定額給付ではなく損害填補型であるため、請求権の法的性質が異なる。


📌 実務上の注意点
• 保険約款の文言だけで請求権の帰属を判断しないこと。
• 相続放棄の有無や順位に応じて、誰が請求権を承継するかを慎重に検討する必要がある。
• 相続税の課税関係にも影響があり、請求権が相続財産である以上、相続税の対象となる可能性がある。


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