婚姻費用分担請求とは、別居中でも離婚成立前であれば、配偶者に生活費や子どもの養育費を請求できる法的手続です。民法第760条がその根拠となります。

🧾 婚姻費用分担請求の概要
• 法的根拠：民法第760条「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」
• 対象期間：婚姻中（離婚前）で、特に別居中に生活費の支援が必要な場合
• 費用の内容：
• 衣食住に関する生活費
• 子どもの教育費・医療費など養育費
• 通常の交際費や光熱費など

⚖️ 請求方法と手続きの流れ
1. 協議：まずは夫婦間で話し合い、合意できれば公正証書にすることも可能
2. 調停申立て：合意できない場合、家庭裁判所に「婚姻費用分担調停」を申し立てる
• 必要書類：申立書、事情説明書、戸籍謄本など
3. 審判手続：調停が不成立の場合、裁判所が金額や支払い方法を決定

💰 金額の目安と算定方法
• 算定表：裁判所が公表している「婚姻費用算定表」に基づき、収入差や子どもの人数で金額を決定
• 収入が多い側が負担：原則として、収入の多い配偶者が生活費を支払う義務を負う

⚠️ 注意点
• 請求は早めに：婚姻費用は請求時点から発生するため、別居後すぐに請求することが重要
• 支払われない場合：調停や審判を経ても支払いがない場合、強制執行の手続も可能