財産分与について、特に男性が離婚時に注意すべき重要なポイントを解説

query_builder 2025/10/23
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財産分与について、特に男性が離婚時に注意すべき重要なポイントを解説します。

財産分与は、離婚後の生活基盤に直結する非常に重要な問題です。

多くの場合、夫婦の協力によって築いた財産を清算する制度であるため、ご自身の名義の預金であっても、相手方に分配しなければならないケースがあります。


1. 財産分与の対象となる財産

財産分与の対象となるのは、原則として婚姻中に夫婦が協力して築いた共有財産です。

対象となる財産

預貯金、不動産、自動車、株式、保険、退職金など

対象とならない財産(特有財産)

婚姻前に貯めていた貯金

相続によって取得した財産

結婚前の貯金や相続財産は、原則として清算の対象から除外されます。

例えば、別居時に1,000万円の預金があっても、そのうち500万円が結婚前の貯金であれば、その500万円は分与の対象外となります。


2. 財産分与の基準となる時点と割合

基準時: 財産分与の対象となる財産は、離婚が成立した時点ではなく、別居した時点で存在する財産を基準とします。

別居後に築いた財産は、原則として清算の対象にはなりません。

割合: 財産分与の割合は、一般的に折半(5対5)が原則です。

奥さんが専業主婦で仕事をしていない場合でも、家事や育児の貢献度が評価されるため、原則5対5と考えられます。

割合の例外: 常に5対5とは限りません。

特に、収入が高い側(例:病院の院長など)の貢献度が極めて大きいと認められるような高額な財産を築いた場合には、4対6や3対7といった例外的な判断がされるケースもあり得ます。


3. 離婚に向けた事前準備事項

財産分与で不利にならないために、以下の事前準備が重要です。

資産の一覧を把握する

ご自身の財産だけでなく、相手方配偶者にどのような財産があるかも、できる限り正確に把握します。

可能であれば、相手の通帳のコピーや銀行からの通知書などを確認しておくことが推奨されます。

資産の評価

特に不動産(自宅)がある場合、現在の価値を把握するため、不動産会社に査定を依頼することを検討します。

負債の確認

ローンや借金といった負債も財産分与の際に整理の対象となるため、確認しておきます。

証拠の保全

別居後になると相手方の財産調査が難しくなるため、同居中に相手方に届いた通知などを確認し、証拠を保全しておくことが重要です。


4. 無断で預金を引き出された場合の対処法

同居中や別居のタイミングで、相手方に無断で預金を引き出された可能性がある場合は、以下の対応を検討します。

事実関係の確認: 通帳や取引履歴を早急に確認し、いつ、いくらが引き出されたのかを正確に把握します。

対応の検討: 相手方の口座に移転している場合は、財産分与の検討範囲に含める、または婚姻費用の前払いであると主張するなどの対応が考えられます。

今後の対策: 不正な引き出しを防ぐため、家族カードを使えなくする、口座を止めるなどの対応を検討します。

財産の保全: 不動産などについて、無断で売却されるリスクがある場合は、裁判所の手続である仮処分を検討し、財産の保全を図ることも選択肢となります。


5. 財産分与と親権の関係

財産分与と親権の判断は、直接的には関連しません 。

ただし、間接的には影響する場合があります。

経済的な状況が安定していることは、親権の判断において有利な事情の一つとなる可能性があるため、財産分与によってしっかりと資産を確保しておくことは、親権の判断にも影響を及ぼす場合があります。


財産分与を検討する際は、専門的な判断が必要となることが多いため、お近くの弁護士に一度相談することをおすすめします

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