▼「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」について解説

query_builder 2025/10/17
0408-10

「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」とは、自己破産の手続において、借金などの支払い義務を免除する「免責」が原則として認められない原因となる事情のことです。

日本の破産法第252条1項に定められており、これに該当する場合でも、裁判所が諸般の事情を考慮して免責を許可する「裁量免責(さいりょうめんせき)」が認められる可能性はあります。


主な免責不許可事由としては、以下のような行為が挙げられます。

不当な財産減少行為:債権者を害する目的で、財産を隠匿・損壊したり、不当に処分したりすること(例:財産の名義変更、安価での売却など)。

特定の債権者への優遇弁済(偏頗弁済:へんぱべんさい):特定の債権者にだけ優先的に返済すること。

浪費やギャンブル:浪費や賭博(ギャンブル)などの射幸行為によって多額の借金を作ったり、財産を減少させたりすること。

詐術による信用取引:返済能力がないのに、嘘をついて借入れをしたり、クレジットカードを利用したりすること。

帳簿書類の隠滅・偽造:業務や財産の状況に関する帳簿や書類を隠したり、偽造・変造したりすること。

虚偽の債権者名簿の提出:債権者リストに嘘の情報を記載したり、一部の債権者を意図的に記載しなかったりすること。

破産手続への非協力:裁判所や破産管財人の調査に対して、説明を拒んだり、虚偽の説明をしたりすること。

過去の免責:過去7年以内に自己破産等で免責許可の決定を受けていること。


これらの事由に該当する場合でも、最終的には裁判所が、債務者の反省の度合いや生活再建への意欲などを総合的に判断して、裁量免責を決定することがあります。

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