▼財団債権について解説

query_builder 2025/10/16
ChatGPT Image ジブリ風②

財団債権とは、破産手続によらずに破産財団から優先的に弁済を受けられる債権のことです。

破産債権よりも高い優先順位を持ち、破産管財人によって随時支払われます。
以下に詳しく解説します。


🏛 財団債権の定義と法的根拠
• 財団債権は、破産法第2条第7項により定義されており、「破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権」とされています。
• 破産財団とは、破産者の財産のうち破産管財人が管理・処分する権利を持つものを指します。


📌 財団債権の種類
財団債権は大きく2つに分類されます:


1. 本来的財団債権(破産手続の遂行に必要な費用)
• 破産管財人の報酬
• 裁判所への予納金
• 債権者集会の開催費用
• 財産目録や貸借対照表の作成費用など


2. 政策的財団債権(社会的配慮に基づくもの)
• 一定限度の租税(法人税、所得税、住民税など)
• 従業員の給与・退職金の一定限度


⚖️ 実務上のポイント
• 財団債権は破産債権者よりも優先されるため、破産財団からの弁済が確実性・即時性に優れています。
• 破産手続開始後でも、財団債権者は破産管財人に対して直接請求が可能です。
• 免責の対象外であるため、破産者は破産後も支払義務を負います。


Q 行政から生活保護費を返還するように言われていた場合、財団債権となりますか?

はい、生活保護費の返還請求が「生活保護法63条」に基づくものであり、かつ平成30年10月1日以降に支給された保護費に関するものであれば、破産法上の「財団債権」に該当します。


📘 財団債権となる生活保護費返還請求の条件
以下の条件を満たす場合、生活保護費の返還請求は財団債権として扱われます。
• 生活保護法63条に基づく返還請求
→ 急迫時に資力があるにもかかわらず生活保護を受けた場合、自治体は返還を求めることができます。
• 平成30年10月1日以降に支給された保護費に関する請求
→ この日以降に支給された保護費については、生活保護法77条の2第2項により「国税徴収の例」によって徴収可能とされ、破産法上の財団債権に該当します。
• 破産手続開始時点で納期限が到来していない、または納期限から1年以内のもの
→ 破産法148条1項3号により、租税等の請求権として財団債権に分類されます。


⚠️ 免責との関係
• 財団債権は免責の対象外
→ 破産法253条1項1号により、生活保護法63条返還債権は非免責債権とされ、破産しても支払義務は残ります。
• 平成30年10月1日以前の保護費に関する返還請求は破産債権扱い
→ この場合は免責の対象となる可能性があります。


🧭 実務上の対応
• 財団債権である場合、破産管財人が破産財団から優先的に支払う対象となります。
• 財団債権でない場合(旧法下の返還請求など)は、破産債権として配当対象となり、免責を受ければ支払い義務は消滅します。

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