▼少年審判における保護処分

query_builder 2025/10/14
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少年審判における保護処分について、種類ごとの詳細をご説明します。

保護処分は、成人の刑罰とは異なり、あくまで少年の教育と更生を目的とした「将来のための教育」という性格を持ちます。


1. 保護観察(社会内処遇)

施設に収容せず、少年を社会の中で生活させながら更生を図る処分で、「社会内処遇」とも呼ばれます。

保護観察官と保護司の指導監督を受けながら、家庭などで生活します。

少年は、定められた遵守事項(ルール)を守り、保護司との定期的な面談を通じて生活状況や交友関係などについて指導・助言を受けます。

原則として、少年が20歳に達するまでです。ただし、20歳までの期間が2年に満たない場合は、保護観察期間は2年となります。

遵守事項を守り、生活が良好であれば、おおむね1年程度で解除が検討されることが多いです。


種類処遇の必要性に応じて、以下の種類があります。

- 一般保護観察(最も一般的)

- 一般短期保護観察(期間がおおむね6か月程度)

- 交通保護観察(交通事件の場合)

- 交通短期保護観察

特定少年18歳・19歳の「特定少年」に対する保護処分は、6か月の保護観察または2年の保護観察の2種類が定められています。


 2. 児童自立支援施設または児童養護施設送致(施設送致)

比較的低年齢の少年や、家庭環境などに問題があり、社会生活を送る上で支援が必要な少年が対象となる処遇です。

児童福祉法に基づくこれらの施設に入所させ、職員と共同生活を送りながら、自立に向けた指導や支援を受けます。

施設の違い

- 児童自立支援施設:不良行為をしたり、またはそのおそれのある児童を入所・通所させ、個々の状況に応じた指導を行い、自立を支援する施設です。

- 児童養護施設:保護者のいない児童や、虐待などで保護者から養育を受けられない児童を養育する施設ですが、非行少年が利用されることもあります。

少年院とは異なり、施錠されていない開放的な施設であり、教育的な側面が非常に強いです。

施設内に小中学校の分校・分教室が設けられていることもあります。

主に小学生、中学生などの低年齢の少年が対象となります。

非行の度合いが強い場合は、少年院送致となることが多いです。


3. 少年院送致(施設収容)

再非行のおそれが強く、社会内で更生を果たすことが難しいと判断された場合に、少年院に収容して矯正教育を行う処分です。

規則正しい集団生活を通じて、非行に対する反省を深めさせ、謝罪の気持ちを促します。

また、教科教育(勉強)や職業指導(職業訓練)などを通じて、社会生活に必要な能力や態度を身に付けさせます。

矯正教育や必要な処遇を行うことによって、少年の改善更生と円滑な社会復帰を図ることです。

刑務所ではないため、刑罰を科すことが目的ではありません。

処遇の分類少年の資質や非行傾向に応じて、複数の処遇期間(長期・短期など)があり、それに基づいて矯正教育が実施されます。

- 短期処遇(一般短期):在院期間が4~6か月程度で、比較的非行の程度が軽度な少年が対象。

- 長期処遇:これ以外の通常の処遇。

特定少年18歳・19歳の「特定少年」については、少年院送致(3年以下の期間を定める)が定められています。


これらの保護処分は、少年の非行事実の重さだけでなく、少年の性格、環境、更生への意欲、そして家庭や学校といった社会資源の活用可能性などを総合的に考慮して、個々の少年に最も有効・適切な手段として選択されます。

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