▼日本における離婚時の共同親権の法制度

query_builder 2025/10/06
0408-66

日本における離婚時の共同親権の法制度については、2024年(令和6年)5月に民法等の一部を改正する法律が成立し、大きな転換期を迎えています。

この改正法は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日に施行される予定です(遅くとも2026年5月まで)。


現行制度(改正前): これまでの民法では、父母の婚姻中は共同して親権を行使しますが、離婚後は父母の一方のみを親権者と定める単独親権が原則でした(民法第819条)。


改正後の制度: 改正法により、離婚後は、共同親権の定めをすることも、単独親権の定めをすることもできるようになります(新民法第819条)。

協議離婚の場合は、父母の話し合いで共同親権か単独親権かを決めます。

裁判上の離婚の場合など、父母の協議が調わないときは、家庭裁判所が子の利益のために必要と認められる方を定めます。

ただし、DV(ドメスティック・バイオレンス)や児童虐待のおそれがあるなど、共同親権とすることで子の利益を害する場合は、家庭裁判所は父母の一方のみを親権者と定めなければならないとされています。


共同親権の場合の親権の行使方法についてもルールが明確化されました。

親権は父母が共同して行いますが、監護教育に関する日常の行為や、子の利益のため急迫の事情があるときは、父母の一方が単独で行使できるとされます。

この法改正は、離婚後も父母双方が子の養育に関わり、その責任を果たすことが子の利益を確保するために重要であるという考えに基づいています。

しかし、共同親権の導入については、DVや虐待の被害者への影響、親権行使をめぐる紛争の激化の懸念など、多くの論点があり、施行に向けての議論や準備が進められています。


法務省による改正法の解説動画については、離婚後の子の養育に関する 民法等の改正についてをご覧ください。

この動画は、離婚後の子の養育に関する民法等の改正、特に共同親権の導入について、法務省が解説しているものです。

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE