▼逮捕後の刑事手続を解説します

query_builder 2025/10/01
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逮捕後の刑事手続は、日本の刑事訴訟法に基づいて厳格に定められており、被疑者の人権保障と捜査の適正を両立させるための制度です。

以下に、逮捕から起訴・裁判に至るまでの主要な流れを詳述します。


① 逮捕(刑訴法199条・210条)
逮捕には「通常逮捕」「緊急逮捕」「現行犯逮捕」の3種類があります。
• 通常逮捕:裁判官が発する逮捕状に基づき、被疑者を逮捕する。

逮捕状請求には「逮捕の必要性」と「罪証隠滅・逃亡のおそれ」が要件。
• 緊急逮捕:重大犯罪で逮捕状を取る時間的余裕がない場合に限り、事後的に逮捕状を請求する。
• 現行犯逮捕:犯罪の現場で行われる逮捕で、私人でも可能(刑訴法213条)。
逮捕後、被疑者には速やかに「弁護人選任権」「黙秘権」などが告げられます(刑訴法203条)。


② 留置・勾留請求(刑訴法205条・207条)
逮捕後48時間以内に検察官送致(いわゆる「送検」)され、さらに24時間以内に勾留請求がなされるか、釈放されるかが決まります。
• 勾留請求:検察官が裁判官に対して勾留を求める。勾留は原則10日間、延長で最大20日間まで可能(刑訴法208条)。
• 勾留の要件:逃亡・罪証隠滅のおそれがあること。軽微な罪では勾留されないこともある。
裁判官は勾留質問を行い、勾留の可否を判断します。


③ 起訴・不起訴の判断(刑訴法247条)
勾留期間中に検察官は捜査を進め、起訴するか否かを決定します。
• 起訴の種類:
• 公判請求:正式な裁判を求める起訴。刑事裁判が開始される。
• 略式命令請求:罰金刑相当と判断された場合、簡易な手続で処理される。
• 不起訴処分:証拠不十分、違法捜査、情状酌量などにより起訴しない判断。
不起訴の場合、被疑者は即時釈放されます。


④ 公判手続(刑訴法289条以下)
起訴後、裁判所により公判期日が指定され、刑事裁判が始まります。
• 第1回公判:起訴状の朗読、被告人の認否、証拠調べの方針決定。
• 証拠調べ:検察官・弁護人が証人尋問、証拠提出を行う。
• 論告・弁論:検察官が求刑、弁護人が最終弁論を行う。
• 判決:裁判官が有罪・無罪を判断し、量刑を言い渡す。


⑤ 控訴・上告(刑訴法373条・405条)
判決に不服がある場合、控訴(地方→高裁)、上告(高裁→最高裁)が可能です。
• 控訴は判決後14日以内に。
• 上告は控訴審判決後14日以内に。


この一連の手続は、被疑者・被告人の権利保障と、真実発見・適正処罰のバランスを取るために設計されています。

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