▼離婚調停成立後の手続

query_builder 2025/09/08
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離婚調停が成立した後には、法的・行政的にいくつかの重要な手続が必要となります。

調停成立によって離婚が法的に認められたとはいえ、それを戸籍や社会制度上に反映させるためには、当事者自身が所定の手続を行う必要があります。

以下に、順を追って詳細に説明します。
まず最初に行うべきは、離婚届の提出です。

調停離婚の場合、家庭裁判所で調停が成立した日から10日以内に、市区町村役場に離婚届を提出しなければなりません。

この際、家庭裁判所から交付される「調停調書謄本」を添付する必要があります。

離婚届には、通常の協議離婚とは異なり、証人の署名は不要です。

提出が遅れると、戸籍法に基づく「過料」(行政罰)が科される可能性があるため、期限内の提出が重要です。
次に、氏(姓)に関する手続があります。

離婚によって婚姻中に使用していた姓から旧姓に戻るのが原則ですが、希望すれば婚姻中の姓をそのまま使い続けることも可能です。

これを「婚氏続称」といい、調停成立日から3か月以内に市区町村役場に届出をする必要があります。

届出をしない場合は自動的に旧姓に戻るため、仕事や社会的信用などの観点から姓を変えたくない場合は、忘れずに手続しましょう。
子どもがいる場合には、戸籍に関する手続も重要です。

親権者が離婚後に子どもを自分の戸籍に入れたい場合、まず家庭裁判所に「氏の変更許可申立て」を行い、許可を得た上で、市区町村役場に「入籍届」を提出する必要があります。

これは、離婚によって子どもが元の戸籍に残ることになるため、親権者の戸籍に移すための法的手続きです。

親権者であっても自動的に子どもがその戸籍に入るわけではないため、注意が必要です。
さらに、年金分割に関する手続きもあります。

調停条項に年金分割が含まれている場合、調停成立日から2年以内に、年金事務所などで分割の請求を行う必要があります。

必要書類としては、調停調書謄本や年金手帳、本人確認書類などが求められます。

年金分割は、将来の年金受給額に直接影響するため、特に専業主婦(夫)だった方は忘れずに申請することが重要です。
最後に、健康保険や扶養に関する手続も見落としがちですが重要です。

離婚によって配偶者の扶養から外れる場合、国民健康保険への加入や、勤務先の健康保険への切り替えなどが必要になります。

これらの手続は、離婚届の提出後速やかに行うことが望ましく、保険証の返却や新しい保険証の取得など、実務的な対応も求められます。
以上のように、離婚調停が成立した後には、戸籍、氏、子の入籍、年金、保険といった複数の分野にわたる手続が必要となります。

それぞれに期限や必要書類が定められているため、事前にスケジュールを立てて、漏れなく対応することが大切です。

もし個別の事情(たとえば、外国籍の配偶者がいる場合や、財産分与が複雑な場合など)がある場合は、専門家への相談も有効です。

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