▼養子縁組の解消(「離縁」)について解説します

query_builder 2025/09/05
ChatGPT Image 手塚治虫風②

養子縁組の解消、つまり「離縁」とは、法律上成立した養親子関係を終了させる手続のことです。

養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」があり、それぞれ解消の方法や要件が異なります。
まず、普通養子縁組の場合、養親と養子の双方が合意すれば、市区町村役場に離縁届を提出することで離縁が成立します。

これを「協議離縁」と呼びます。

合意が得られない場合には、家庭裁判所での調停や審判、さらには訴訟によって離縁を求めることができます。

訴訟による離縁が認められるには、民法で定められた離縁原因、たとえば「悪意の遺棄」「3年以上の生死不明」「縁組を継続しがたい重大な事由」が必要です。
一方、特別養子縁組は、子の福祉を最優先にした制度であるため、原則として離縁は認められません。

例外的に、養親による虐待や遺棄など、養子の利益を著しく害する事情がある場合に限り、家庭裁判所の審判によって離縁が認められることがあります。

この場合、養親からの離縁請求はできず、養子本人、実父母、または検察官が請求する必要があります。
離縁が成立すると、養子は養親の戸籍から除籍され、相続権や扶養義務などの法律上の効果も消滅します。

ただし、養親が死亡した後に養子が離縁を希望する場合、いわゆる「死後離縁」として家庭裁判所の許可を得ることで解消することが可能です。
このように、養子縁組の解消には、当事者の合意、家庭裁判所の判断、そして養子の利益という観点が複雑に絡み合っており、単なる親子関係の終了以上に慎重な判断が求められます。

必要に応じて法的専門家の助言を受けることが望ましいでしょう。

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