▼特別受益についてわかりやすくご説明します

query_builder 2025/08/28
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特別受益とは何か
相続において、ある相続人が被相続人(亡くなった方)から生前に特別な贈与や利益を受けていた場合、それを考慮して遺産分割を公平に行うための制度です。

これは、他の相続人との間に不公平が生じないようにするための仕組みです。


どのようなものが特別受益に該当するか
典型的な例としては、被相続人が子どもに住宅購入資金を援助したり、開業資金を贈与したりした場合などが挙げられます。

これらは「生計の資本」とみなされ、特別受益とされる可能性があります。

また、遺言によって特定の相続人に財産を与える場合や、死因贈与契約(亡くなったら財産を渡すという契約)も特別受益に含まれます。
ただし、結婚式の費用や生活費の援助など、扶養の範囲内とみなされるものは通常、特別受益とはされません。


遺産分割における扱い(持ち戻し)
特別受益がある場合、その相続人が受け取った利益を相続財産に加えて計算し、法定相続分に基づいて各相続人の取り分を調整します。

これを「持ち戻し」と呼びます。持ち戻しを行うことで、特別受益を受けた相続人の取り分が減り、他の相続人の取り分が増えることになります。


最近の法改正による影響
令和5年の民法改正により、相続開始から10年が経過すると、原則として持ち戻しを行わず、法定相続分に従って遺産分割をすることになります。

これは、過去の贈与についていつまでも争いが続くことを防ぐための措置です。


実務上の注意点
特別受益があるかどうかは、相続人間で争いになることが多く、調停や審判に発展するケースもあります。

また、被相続人が「持ち戻しをしない」という意思を明確に示していた場合には、その意思が尊重され、特別受益として扱われないこともあります。

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