▼免責不許可事由の解説

query_builder 2025/08/08
ChatGPT Image 手塚治虫風

1.免責不許可事由とは
免責不許可事由とは、破産手続において裁判所が「免責(債務免除)」を許可しない根拠となる行為・事情を指します。日本の破産法第252条に規定されており、債権者保護や手続の公正性を確保する観点から定められています。


2.主な11の免責不許可事由(破産法第252条)
1. 不当な破産財団価値減少行為
• 債務者が破産手続開始前後に自己財産を隠匿・損壊し、債権者が受け取るべき財産価値を不当に減少させた場合。
2. 不当な債務負担行為
• 返済能力を欠くまま借入を繰り返したり、保証人を立てさせて負担を増大させた場合。
3. 偏頗弁済行為
• 特定の債権者だけに優先的に返済し、他の債権者を害する目的で行った場合。
4. 浪費行為又は賭博その他の射幸行為
• 高額な遊興費やギャンブルで資産を浪費し、生活のための資金を著しく減少させた場合。
5. 詐術による信用取得
• 虚偽の説明等で金融機関等から信用を得て借入を行った場合。
6. 業務帳簿等の隠滅行為
• 財産に関する重要書類を隠匿・破棄して債権者調査を妨げた場合。
7. 虚偽の債権者名簿の提出
• 実在しない人物や不正に編集した名簿を裁判所に提出した場合。
8. 裁判所への説明拒否や欺罔行為
• 手続中に裁判所の求める説明を正当な理由なく拒否したり、虚偽説明を行った場合。
9. 破産管財人等の職務妨害行為
• 管財人の調査・回収活動を妨害したり、虚偽情報を提供した場合。
10. 7年以内に免責許可を受けている場合
• 過去7年以内に既に免責許可を得ているときは再度免責を許可しないこととされています。
11. 破産法上の義務違反行為
• 破産手続で課せられた報告義務や引渡義務などを故意に履行しなかった場合。


3.裁量免責との関係
上記の事由に該当しても、悪質性が低いと裁判所が判断すれば裁量免責(裁判所の判断で免責を許可)を受けられる可能性があります。債務者が誠実に状況を反省し、管財人や債権者と協力して財産の回収や生活再建に努める姿勢が重視されます。


4.手続の流れと留意点
1. 債権者や破産管財人から不許可事由の有無について意見が提出される。
2. 債務者は説明機会を十分に活用し、具体的な事情や改善努力を示す。
3. 裁判所が全体像を総合的に判断し、免責許可か不許可かを決定する。


債務者が相談すべき相手としては、まず無料相談が可能な弁護士・司法書士が挙げられます。専門家と早期に連携し、書類の整備や手続対応を進めることが重要です。

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE