夫「妻と息子には財産を遺さない」、相続ゼロ宣言は法的に有効か?

query_builder 2025/02/27
0408-47

とあるご相談者が、自身の財産について、「妻と息子には遺さない」と述べられました。

奥様と息子さんの2人に財産を遺さないと発言したうえで、「面白くないじゃないですか、妻と息子の人生が。我々は、明日どうしよう、と生きてきたのが楽しかった」と話されています。

旦那さんが、奥様と息子さんに財産を一切遺さないことは法的に可能なのでしょうか。残された奥様と息子さんはどんな請求が可能なのでしょうか。

弁護士濵門俊也が回答します。


さて、法定相続人に遺産を遺さない方法としては、法定相続人以外の者に対する包括遺贈の方法があります。

この場合、受遺者が遺贈者よりも先に亡くなった場合には、遺贈の効力は生じません。

また、遺贈には代襲相続のような規定もありませんので、受遺者がもらうはずであった遺産は法定相続人で分割することとなります。

包括遺贈の場合、遺贈者の積極財産(プラスの財産)も消極財産(マイナスの財産)も承継することとなります。

遺贈の方法によりますので、法的に有効な遺言書を作成する必要があります。

遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが、より有効な遺言書を作成したいのであれば、公正証書遺言をお勧めします。

この場合、遺言執行者を指定しておくとよいと思います。

また、法定相続人に遺産を遺したくないのであれば、遺留分侵害額請求権の行使をされないように遺贈する必要もあります。

そして、法定相続人以外の者に遺贈する場合は、相続税の2割加算がありますし、登録免許税も不動産価格の20/1000と、相続の場合より高くなります。


NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE