▼同窓会で「プラトニック」な関係に お茶だけで「500万円」請求されました

query_builder 2025/02/25
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プラトニックな関係なのに、相手の夫から500万円も請求されてしまった——。そんな相談が、寄せられました。  

相手の女性とは、同窓会で知り合い、「何度かお茶をしに行き、次第に心が惹かれていきました。もちろん肉体関係はありません」という。

相手女性は既婚でしたが、夫とは離婚を考えていると打ち明けられていたそうです。  

ところが相手の夫にその関係がバレ、夫には離婚意思がないことがわかったため、相談者は別れを決意します。

ところが「旦那から内容証明書にて500万の慰謝料の請求が来ています」と相談を寄せました。  

弁護士濵門俊也が回答します。  

(弁護士への質問)

今回、相手女性とは「何度かお茶をしに行った」程度であり、肉体関係はありません。さらに相手から離婚をにおわされていたことから、男性も真剣になってしまったとのこと。このような場合でも、500万円の慰謝料を支払う必要はあるのでしょうか。

(弁護士濵門の回答)

民法770条1項1号に規定されている「不貞な行為」とは、婚姻しているものが婚姻外の異性と自由な意思のもとに性的関係を結ぶことです。

不貞行為は、異性と性的関係をもつことですので、同性との性的関係は、民法770条1項1号の「不貞行為」にはならず、同条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たるとされています。このように判断して離婚を認めた裁判例もあります。

不貞行為は、離婚事由となるだけではなく、婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害したこととなります。

よって、不法行為に基づく損害賠償義務(民法709条、同710条)が発生します。

この場合、不貞行為の相手方(第三者)も、不貞行為をした婚姻当事者と共同して不法行為をしたことになるので、同じく損害賠償義務(民法709条、同710条)を負います。

これは、婚姻破綻慰謝料となりますので、不貞行為の時点において婚姻関係が破綻していたような場合には、上記損害賠償義務を負いません。

不貞行為の核心部分は性交渉、性行為ですから、あくまでもプラトニックな関係であると主張するのであれば、基本的には損害賠償義務を負うことはないと考えます。

プラトニックな関係であること(性的関係がないこと)を証明する必要はなく(ないことの証明はできません。これを「悪魔の証明」といいます。)、あくまでも請求する側で不貞行為の主張立証をすることになるからです。

ちなみに、500万円という金額ですが、精神的苦痛は当該被害者にしか分かりませんから、一概に高額であると断じることはできません。ただ、裁判ベースとなれば、そのような請求が認められることはほぼないでしょう。  


(弁護士への質問)

また500万円は高いとしても、プラトニックでも夫婦関係を破綻させる要因となったのであれば、慰謝料をいくらか支払うことはあり得るのでしょうか?

(弁護士濵門の回答)

可能性としてはあり得ると思います。事実としてプラトニックな関係しかなかったとしても、2人でラブホテルに出入りしている写真があるとか、性的で卑猥なやり取りをしたメールやSNSの履歴が存在する等、性的行為を匂わせるような証拠を配偶者が見たことによって婚姻関係を破綻させてしまったといった場合には、損害賠償義務が生じることもあり得ると思います。  

(弁護士への質問)

プラトニックな関係でも離婚理由や慰謝料の支払理由に該当することはあるのでしょうか。

(弁護士濵門の回答)

プラトニックな関係でも「婚姻関係を継続し難い重大な事由」に該当する場合もあるでしょうし、慰謝料の支払理由に該当することはあると思います。


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