▼夫が女性と「写真」や「チャット」のやりとり「体の関係」が無くても離婚事由になる?

query_builder 2025/02/12
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夫が、携帯やPCで若い女性とのチャットのやりとりに夢中になっているーーネット上の掲示板に、女性からこんな悩みが寄せられた。  

夫が送信先を誤り、「写真まだぁ?(鼻息の荒いスタンプ)」など、相手の女性宛とみられるLINEメッセージが送られてきたこともあるという。中には、高校生にみえる女子が、制服をまくりあげたような写真も発見した。  

夫にチャットをやめさせたいと思っているが、「風俗に行くより安い」「浮気じゃなく単なる趣味の範囲」などと言い張っているそうだ。

投稿者は、半年ほど前に死産しており、その際の手術が原因で、性行為ができない状態だという。  

知らない女性とチャット行為をしている人が同じ屋根の下にいることが気持ち悪く、離婚も視野にいれているという。

しかし、今回のケースでは、相手の女性とチャットと写真のやり取りをしているだけで、身体の関係はない。こうした場合でも、離婚事由になるのだろうか。

男女の法律問題に詳しい濵門俊也弁護士が回答します。  


●身体の関係がなくても離婚原因になる?  

民法には離婚原因の一つとして「不貞行為」があげられています。そのポイントは、肉体関係、つまり「性的行為」があったかどうかという点です。そうしますと、出会い系サイトやビデオチャットで性的なデータをやりとりするだけなら不貞行為にはなりません。

ただし、奥様が「そんなものにハマるような旦那とは一緒に暮らせないわ!」と感じたら、離婚原因になることもあり得ます。

旦那さんはチャットが発覚すると開き直り、死産で心身ともに辛い奥様に対して「風俗に行くより安い」などと暴言を吐き、話合いができない状況のようです。  

結果として、不貞行為そのものには該当しなくても「婚姻関係を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)にあたるとして、結局は慰謝料を支払わされる可能性があるといえます。

最近では、SNS等による出会いをきっかけとして不倫や浮気にはしる人も少なくないようです。今回のようなチャットが不倫や浮気の温床となるおそれも高いでしょう。


●肉体関係がなくても、離婚原因になる「不貞」も  

肉体関係がなくても、チャット上で性的なデータのやりとりをしていれば、妻の心情的には不貞行為と思いたくなるかもしれないですよね。

道徳的に「不貞」とされる行為と、法律上の「不貞行為」とは異なります。  

あくまでも、法律は道徳的に不貞とされる行為のうち、夫が妻以外の女性とホテルで肉体関係をもったなど、「だれがどう見ても、慰謝料を認めてあげなければ、被害者が本当にかわいそうである」という行為に対して損害賠償責任を認めています。  

ただし、肉体関係がなくても、場合によっては離婚原因となり、慰謝料を支払うことになる可能性もあります。

法律上の不貞行為にあたらなければ何をやってもいいなどと思っていますと、とんだしっぺ返しをくらうことがあることを肝に銘じておくべきです。

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