星朋彦著 星航一・佐田寅子補修『日常生活と民法』序文

query_builder 2024/07/02

今時の戦争で日本は敗れ、国の立て直しを迫られ、民法も改定されました。

私たちの現実の生活より進んだところのものを取り入れて規定していますから、これが国民に馴染むまで、相当の工夫や努力と日時を要するでしょう。

人が作ったものです。

古くなるでしょう。

間違いもあるでしょう。

私は、この民法が早く国民に馴染み、新しく正しいものに変わっていくことを望みます。

民法は、世間万人知らねばならぬ法律であります。

決して法律家にのみ託しておいて差し支えない法律ではありませぬ。

私のこの拙著がいささかにても、諸君の民法に対する注意と興味等を喚起するよすがとなることを得ましたならば、誠に望外の幸せであります。

昭25年6月 星朋彦


NHK朝ドラ『虎に翼』に登場した『日常生活と民法』の改訂版の序文ですが、簡潔ながら的を得た名文です。

当職も朝から唸りました。

明日は尊属殺重罰規定に関するテーマも扱われるようですが、昭和25年当時は「合憲」と判断されています。

日本の最高裁判所が刑法第200条(尊属殺)の重罰規定を憲法第14条(法の下の平等)に反し無効とする判決を下すのは、1973年(昭和48年)4月4日を待たねばなりません。

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE